日本家族看護学会第18回学術集会の会長にご推挙いただきました神戸大学の法橋(ほうはし)です。
今回のメインテーマは、「新しい家族看護学の探求:パラダイムへの原点回帰と未来共創」といたしました。家族看護学は、個人看護学のように「ひと」を対象とするだけではなく、「家族システムユニット」を対象とし、個人看護学とはパラダイムを異にしますので、家族看護学独自の理論・実践・研究が不可欠です。家族看護学が依って立つパラダイムに回帰し、その神髄を論じ合う機会になることを期待します。
学術集会は会員発表の場です。会員皆様からの演題は、「新しい家族看護学」の確立に不可欠なノイエスを創生しますので、活発な質疑応答が行われる場を作りたいと思います。なお、同時開催の国際学会で発表する演題でも、日本語での質疑応答を希望する場合は、本学術集会においても演題登録することができます。また、家族看護学を広く一般市民の方々と共有するために、市民向けの公開講演などを充実させ、情報発信の場にしたいと考えています。つきましては、本趣旨にご賛同いただき、会員の皆様はもとより、多くの方々の参加をお待ち申し上げております。
東北地方太平洋沖地震について
去る3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(気象庁命名)で被災された方々、そのご家族の方々に心よりお見舞いを申し上げます。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に心からお悔やみを申し上げます。また、被災地域の一日も早い復旧・復興を心より祈念いたします。
かかる国難の折、会員の皆様におかれましては、医療職者としての使命感をもってさまざまな形で医療活動にあたっていただきたく存じます。被災された方々をいかに支援できるか、それぞれの立場で考えて、行動する必要があります。
日本家族看護学会第18回学術集会の開催につきましては、予定どおり開催できるように準備を進めております。16年前、私の大学がある神戸の地も阪神・淡路大震災を経験いたしましたが、国内外からの方々から多くの温かいご支援を賜り、助け合いの尊さを教えていただきました。この学術集会をとおして、家族支援のあり方を改めて考えたいと存じます。
ただし、プログラムに影響のない範囲で経費節減できるような措置をとる所存でおります。経費計算後に剰余金が出ました場合は、すべて災害地域への義捐金に充てることにいたします。なお、未曾有の災害の影響により、当日会場にお越しいただくことができない会員の皆様への特別措置として、電子媒体での閲覧を中心とした発表を企画したいと思います。
皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
2011年4月4日
京都の「竹林」のイメージについてのコメント
日本家族看護学会第18回学術集会で使用している京都の「竹林」のイメージに含意していることは下記です。
これらのすべてが、本学術集会のメインテーマの「新しい家族看護学の探求:パラダイムへの原点回帰と未来開拓」につながっています。竹林を探索して光り輝く宝の竹を見つける「竹取物語」にちなんで、本学術集会では家族看護学の原点に戻り、そして輝く未来の家族看護学を創造できることを祈念しています。
日本家族看護学会のロゴマーク
伸ばした手をつなぎあった家族員の輪により、強い家族の絆を表現した。2006年、公募により法橋尚宏氏作成のロゴマークが採用された(『家族看護学研究』,12(3),204-205,2007参照)。
日本家族看護学会第18回学術集会のロゴタイプとロゴマーク
発展し続ける日本家族看護学会(Japanese Association for Research in Family Nursing)を表すために、その略称である「JARFN」を躍動感あふれる筆文字で書いた。日本家族看護学会のロゴマークの輪郭の中に、開催回数を示す「18」をシンボライズした。